コーヒーポット
このところ、なんだろか?
コーヒーについて尋ねられることが多くなった。
しかも今年になってから急に。
「サードウェーブって何?」
「フェアトレードって何?」
「ミルについて相談に乗って欲しい。」
ドリッパー全般について色々尋ねられたり、
記事にもしたが逆にスタバの豆を勧められたり。
とかとか。
「ネット見ろよ!」と言いたくなるような時もあるけど、ひとまず置いといて、
巷ではブームなのか?
確かに親しい人達や一部の会社の人達には長年コーヒーを楽しんでることを知られているのは事実。
それにしても今までそんな事はほぼ無かったのに。。。
なんでだろう?
ある友人からはポットについて質問があった。
「使うポットによって味は違うのか?」
「改めてハンドドリップに目覚めたんだけど、ポットはどれを買ったら良いの?」
とかとか。
そんな訳で友人へのアンサーとして、今回は気まぐれでコーヒーポットのお話し。
結構真面目に悩んでたので、自分なりに真面目に書いて見た。
少々長いけどしっかり読むんだよ、お友達!
最初に個人的な考え方を言っとくと、
コーヒーポットは何でもOK!
どーでもイイと言うことでは無く、最初に選ぶポットとしては一般的にコーヒーポットとして知られてるものや認知されてるものであれば注ぎ方の習得時間に差はあれど、どれを選んでも間違いないはず。
と言った意味で、何でもOK!ってこと。
よく行くコーヒーショップのマスターが使ってるとか有名なバリスタが使っててカッチョイイなどの理由で選んでもよろしいかと。
プロはヘンなもん使ってないだろうからね。
最初に良いものを選んでおけば飽きることなく使えるだろうから、徐々に使い慣れて気が付けば安定して美味しく淹れられるようになってるはず。
そうなったら(自分のものになったら)その味を基準にしましょう。
そこがブレずに基準として明確になっていれば豆が変わっても違いは純粋に豆の違いのみなので分かりやすいし、豆は同じでポットが違う時も同様にわかりやすくなるのでハンドドリップの世界が広がり更に楽しくなる。
とにかく最初は予算に合わせてちゃんとしたものを選んで下さいな。
ついでに言っとくと、コーヒーを淹れる上で大切なのはポット云々よりも豆選び。
これを失敗するといくら優れたハンドドリップの技術があっても補えない。
それだけにポットは肩肘張らず気楽に楽しみながら選んでも大丈夫、とも言えるかも。
それからここではハンドドリップについて細かくは触れてない。
YouTubeなどの動画サイトを検索してプロや有名なコーヒーショップが紹介してる淹れ方を真似する方が勉強になる。
ハンドドリップの基本は、
『細くゆっくり途切らず一定量を注ぎ続ける』
ことだが、
この『細く』や『ゆっくり』とはいったいどの程度なのか、良く見て加減を理解すれば美味しく淹れることが出来るようになるだろう。
それではポットのお話を始めましょう!
まずは代表的なメーカーとブランドを上げておくのでお暇なときにでもどんな種類のポットがあるのか見ておくと良いかも。
・会社名/ブランド:会社概要
・(株)タカヒロ/タカヒロ:
1975年新潟県燕市に設立。
業務用厨房用品の製造販売。
・三宝産業(株)/ユキワ:
1950年新潟県燕市に設立。
ホテル・レストラン向けのテーブルウェア製造販売。
・(株)カリタ/カリタ:
1958年設立の純国産コーヒー器具メーカー。
・HARIO(株)/V60:
創業1921年の老舗耐熱ガラスメーカー。
・(株)フジイ/月兎印:
1923年創業のキッチンウェア・ハウスウェアを供給する専門商社。
月兎印はフジイのブランドて製造は野田琺瑯、販売は勿論フジイ。
以上、タカヒロ、ユキワ、カリタ、ハリオ、月兎印 でした。
このあたりのコーヒーポットを押さえておけば大丈夫かな。
勿論他にもあるけどキリがないので、そこは割り切ってまずはこんだけ。
自分が使ってきたポットで現在使用中なのもこの5社。
大して参考にはならないかも知れないけど、次は現在使ってるポット達について書いてみる。
まずはタカヒロのポットから。
写真のポットはタカヒロの「雫」(0.9L)というポット。これは鎌倉にあるコーヒー屋さん、カフェ・ヴィヴモン・ディモンシュが特注してる色。
塗装が剥げないように気を使うし、通常品との違いはその塗装だけなので普通の(シルバーの)「雫」のほうが気兼ねしないで使えるしそっちでも良かったかな、などと思ったりしてる。
しかもかなり割高なので散々悩んだ挙句購入したものだし最初は感動的だったが、使ってるうちにステンレスそのままの方が飽きなかったんじゃなかろうか などとも思えてきた今日この頃。
というより正直このポットそのものに飽きてきたかも(理由は後述)。
使い心地はというと、
使われているステンレスが薄くて軽いので取り回しが楽でとても扱いやすい。
その上お湯の投入口(蓋を閉めるとこ)が広くて中が洗いやすい。
そしてなんといっても一番の特徴は注ぎ口が細く作られている為、誰が使っても細く注ぐことが出来る優れもの。
「雫」と言うだけあって仮に点滴に興味が湧いてきたとしても、これなら習得するまでに時間は掛からない。
逆に太く注ぎたい場合は限界があり人によって3〜4杯は辛いという人も居るようだが、そもそもコンセプトが違う。
その部分の賛否はあれど、文句無しの優等生的ポットだ。
ただ個人的には誰でも直ぐに細く注ぐことが出来る分、自由が利かず淹れてても面白みに欠けるので徐々に出番は無くなりつつある。
ある意味、常に安定して淹れることが出来る良く出来たポットと言うことでもあるので、「お~、そりゃ手っ取り早くてええわい!」ってな場合はとってもお勧め!!
でもある。
と言ってもお勧めしたいのはディモンシュのオリジナルカラーではなく、普通の「雫」。
趣味の問題だし大きなお世話だろうけど、同じ物なのに価格が違い過ぎる。。。
次はこれ。ユキワのM-5(750ml)というポット。
老舗の喫茶店で店主が銀色のポットを使ってスマートにコーヒーを淹れている姿はいつ見ても飽きない。
手元で輝く銀色のポットがやたらカッコよく見える。
そのポットをよく見ればユキワのMシリーズ。
そんなことは一昔前だと普通にあった話し。
コーヒーショップだけではない。
老舗レストランやホテルなど様々な場で活躍してる姿はいまだに良く見る。
この手のポットの代名詞。
このポットは通常のノーマルなM−5とは異なり珈琲サイフォン㈱というコーヒー器具を製造販売してる会社が三宝産業(株)に特注したものを「コーノ特別仕様(細口)」として販売してるもの。
(コーノ/KONOとは珈琲サイフォン㈱の社長である河野さんから来てる呼び方。)
細く淹れることに特化したタカヒロの「雫」よりも自由が利く分、多少は慣れが必要ではある。
だがひとたび自分のものにしてしまえば思う通りの湯量に調整可能。
車で言ったならこちらはマニュアル車、「雫」はオートマ車。
マニュアル車と言っても小難しいことは無く、とても扱いやすいポットなので慣れるのにもそう時間は掛からない。
(青字部分の「雫」との比較に関してはこの後出てくるポットにも共通して言えること。)
これは使われてるステンレスに厚みがあるので重たくてしっかりしてるから、存在感もある。
見た目の雰囲気からしても淹れてる感満載で好き。
強いて欠点を上げるとお湯の投入口が狭いので中が洗いにくいってのと、
構造上注ぎ口から豆までの距離が少々あるので、若干高い位置から注ぐことになりがち。
それでもいまだに使う毎に楽しさが増していく不思議なポット。
ちなみに通常のものとコーノ特別仕様の違いは2か所。
まずは口先。
職人さんの手によりキュッと絞られている。そしてコーヒー専用ということで、目皿が無い。
(目皿とは本体と注ぎ口の接合部分に取り付けられた複数の穴が開いた円板。)
以上の2点かな。
注ぎ口は職人さんの手作業で加工調整されてるので少々値は張る。
実売価格が通常品の倍近くで販売してる店を見かけたことがあった。
(特別仕様は定価で、通常品は値引きして販売するとそうなるのかも。)
そう言った意味で(お値段的に)初めてのポットでこれは少々厳しいかも知れない。
しかも個人的には絶対これで無ければダメといったこともない。
だが一度ハンドドリップの世界へドップリのめり込んで、しかもKONO式がお気に入りなんてことになったらたまらない逸品。
気になって仕方なくなること間違いなし。
眺めてるだけで幸せ気分に浸れる超お気に入り。
万が一このポットに決めちゃったとしても後悔することは無いと思う。
慣れてしまえばそれ程扱いやすい。
だが通常品も広く使われているし値段も全然安いのでそちらを検討してみるのも悪くないかも。
次は日本のコーヒー機器メーカーの老舗、カリタ銅ポット0.7L。タカヒロやユキワなどドリップポットの定番達と双璧をなす優れもの。
先のユキワ同様プロの愛用者は多く、長年愛用されて経年変化を楽しんでおられる名高い方々もちらほら。
また使われている銅(内側は錫メッキ)に厚みがあるのでユキワ同様ずっしりとしていて存在感抜群。
さて肝心の使い心地だが、
細く注ぐには流石に注ぎ口の違いからユキワよりも慣れは必要かも知れないけど、これもまたとても注ぎやすいポット。
先述の通りプロにも愛用者が多いと言うことから物は確かだろうし、検討してみる価値はおおいにあると思う。
これは銅製のドリッパーと見た目の相性がバッチシなので好き。
また陶器のドリッパーともイイ感じにマッチする、雰囲気抜群!
個人的には趣味のものだしそんなところも結構大切にしてる。
そして琺瑯製のコーヒーポット、月兎印のスリムポット0.7L。
これは古くからあるので結構有名。
琺瑯なので勿論注ぎ口を調整する為の加工は一切出来ない。
頑張ってこのまま自分の物にするしか無い。
と言っても注ぎにくいことは全く無くて、流石歴史が長いことだけありとても扱いやすい。
コレで美味しく淹れてる方は沢山いらっしゃるだろうし、候補に入れるのも悪くは無い。
今回取り上げたポットの中ではお値段もお手頃。
だが少々困った欠点もある。
今回紹介してるポットの中では唯一取っ手が熱くなるので、要注意。
何かを巻いてしまうといった方法もあるけど見た目が損なわれるので今一。
それから湯量を見ながら淹れる人は蓋を外した状態で淹れるが、蓋をしたまま淹れる派なので先述のユキワやカリタと異なり蝶番が無い為 押さえながら淹れる必要がある。
(タカヒロも無いけど落ちにくい。)
その際蓋はお湯の量にもよるが取っ手よりも熱くなる場合があるので更に注意が必要となる。
良く使うものだけにその点は悩ましい限りだ。
月兎印ブランドの誕生は大正15年と、最も歴史があり味のあるポット。
このポットは飾っておくだけでもホッコリする。
ご参考までに、
ユキワとカリタとこのスリムポットの形と注ぎ口の違いはこんな感じ。
(良くも悪くも「雫」は別格なので並べてない)。
形はどれも似てる。注ぎ口は全く異り、細く絞られてる方が細く注ぎやすいことは確か。扱いやすさは本当に甲乙つけがたい、どれも流石といったところ。
週末になると、とっかえひっかえ楽しんでいるがいつまでたってもどれも飽きない。
最後は奥さんからのプレゼントで、ハリタのV60ドリップケトル・ヴォーノ 1.2l。写真はコーノのサーバーとドリッパー、そしてこのヴォーノとの組み合わせ。
この組み合わせは3人分以上淹れる時とココ一番(例えば高い豆やお初の豆)って時の定番の組み合わせ。
1〜2杯の時は意識的に他のポットで楽しんでいる。
そうしないと、いつしかヴォーノばかり使って他のポットの出番がなくなっちゃいそうだから。
な~んて、んなこたぁ無いだろうけど所有するポットの中でもそれくらい気に入っている。
これは注ぎ口を加工して湯量をコントロールしやすく調整してみた。
納得いくようなところまでは調整しきれて無いが、もし自分でカフェをオープンするとしたらこのポットが無くなったら諦める。
オープンの予定なんてねぇけど。
もっとも注ぎ口は細過ぎず太過ぎずで加工しなくても程よく湯量をコントロールしやすい作りになっているので、必要と感じない人はあえていじくり回さなくても満足出来るレベルではあると思う。
ちなみに我が家のコーヒーポットの中では唯一直火で湯を沸かしてるポット。
このポットを最初に選んでも後悔することは無いかな。
いや後悔どころかむしろイチ押し!
コスパ最高だし最初のポットとしてはとってもお勧め。
コスパだけに止まらず欧米諸国のカフェではもはやコーヒーポットといえばコレ!
ってくらい定着してる。
世界のバリスタが認めたポットと言っても決して大げさでは無いくらい海外では浸透してる逸品。
迷ったらこのポットだな。
さてさて、
日本が誇る燕市原産の最高の逸品、タカヒロにユキワ。
日本のコーヒー機器メーカーの老舗中の老舗、カリタ。
歴史が物を言う月兎印のスリムポット。
世界のバリスタが認めたヴォーノ。
お友達。。。
最初の1つ目はどれにしますかな?
今回上げたポットはみんな扱いやすいのでどれを選んでも良いとは思うんだけど、出来れば実物を見て自分に合いそうなものに決めた方が良いかな。
手に馴染むほど大切に使えるようなポットと出会えたら嬉しいね!
やはり使い慣れたポットが一番だから。
改めて我が家へ触りに来てみたら。
てか、めんどくさがらずに来なさい。
ちなみに「雫」以外のポットを選んだ場合は点滴に興味が湧いて来たとしてもそう簡単には習得できない。
そんな場合は「きゅうすスキッター」をお勧めする。「練習に時間を掛けず点滴で淹れたコーヒーを体験してみたい!」
ってな場合はこれを装着すればほぼどんなポットでもコントロールしやすくなるので、是非お試しあれ。
簡単に真下に落とせてコーヒーの粉に優しく置くように注ぐことが出来るようになるので大満足できること間違いなし。
それ程高額なものでは無いので、思いついた時に直ぐに試せるようポットを購入する際一緒に購入しておいても損はないかも。
ちなみにこれを書いてて思い出したようにヴォーノに付けて淹れてみた。久しぶりに使ってみたけど、凄ぇ~!
撮影は失敗したけど、寝起きでホゲェ~っとした状態でもポタポタ淹れられる。
しばらくこのままにしとこっと。
それから銅製品は手入れが面倒という人も居るのでご参考までに我が家ではどうなのか、ちょっとだけ書いてみる。
我が家では全く気を使うこと無く扱ってても何故か綺麗。
例えば奥さんにプレゼントしたカリタの銅製ドリッパー102は1年ちょいの間平日はほぼ毎朝使ってる。
淹れ終わると仕事から帰るまでそのままの状態でシンクに置きっパなんてことは普通にあるのにノーメンテでまだピッカピカ。
いづれにしても世間で言う程甘やかしちゃいないのに、使用年数や使用頻度とは関係無くどの銅製品もまだピカピカなのは謎。
ネットを見てると羨ましいことに1年、2年で経年変化を感じることが出来る程イイ味が出てる人も見かけるというのに、いつまでも輝きはあまり薄れないし目立って気になる錆びも無い。
ってのもある意味複雑。。。
(どちらかと言うと、綺麗に使いたいというよりも経年変化を楽しみたい方なので。)
ある時急に来るのか?
んなこたぁねぇだろうな、とにかく謎。
おまけ。
使ったことは無いけど今気になってるポットがこれ。E-FRANCEのコーヒードリップケトル 細口ポット。
レビューや口コミを見る限り、悪くなさそう。
YouTubeの動画を見てても扱いやすそうだし、気になって仕方ない。
厚みのあるステンレス製でお値段2000円程とのこと。
収納スペースに余裕があったら気楽に買えてしまうお値段なので危険、今頃我が家に有ったな。
ちなみに他のメーカーからもこれと似たようなポットが似たような値段で販売されているので、気になったら要チェック。
その他、ここ数年で使いやすくて機能的な良く出来たポットも色々発売されてるみたいだから、探してみてちょんまげ。
良いの見っけたら教えて下さいな。
どうしようか悩んでる時って楽しいよね。
素敵なポットと出会えることを祈ってます。
では、では。
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大親友G.Tに捧ぐ
間に合わなくて、ごめん
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